まとめ・・・大前研一 「仕事が10倍楽しくなる大前流問題解決法」3
● PSAの3ステップ
本質的問題の発見
① 情報を収集する
② 分析する
③ 論理立てて整理・統合し、まとめ、本質的問題を発見する
↓
問題解決策の立案
④戦略的自由度を上げてアイデアを出す
⑤解決策の仮説を立てる
⑥仮説を検証する
↓
施策の実施
⑦結果と理論を明確にする
⑧キーパーソンを説得する
⑨実行をモニターし、必要に応じて修正する
○ステップ1 本質的問題の発見
物事の実態や本質を正しく理解するためには、言い換えると、ロジカル・シンキングの考え方が欠かせません。
その基本は、二つあります。
一つは、アリストテレスの論理学で言うところの「A=B,B=Cであれば、A=Cである」という論理構築です。
もう一つは、「足して100になる議論をする」ということです。
AとBを足せば全体像になり、それ以外に漏れもなければ重複もない、という論理構造の構築です。
問題解決法の第一歩は問題を定義することなのです。
問題を定義するためにはデータを集めなければなりません。
ここでは仮説を立てることが重要になります。
「もし問題が○○だとすれば、原因は××ではないのか?」という仮説です。
その上でデータを収集し、事実に基づいて証明をしていくのです。
仮説の立て方は、アリストテレスの論理学で言うところの「二律背反」(相互に矛盾する二つの命題が同等の妥当性を持って主張されること)を使います。
つまり「問題はAかB、二つのうちどちらかに違いない」というやり方です。
まずAを証明するデータを集め、それを検証した結果Aではないとなれば、この仮説は違っていたことになり、もう一つの仮説、Bが答えということになるのです。
○ステップ2 問題解決のための施策
ステップ1で問題が定義できたとしたら、次は「その問題をどうやって解決するか?」という段階に入ります。
誰もが気づいていない答えを見つけ出すには、ロジカルの対義語にあたるようなインテュイティブ(intuitive=直感)やイマジネーション(imagination=想像力)を使用する必要があるということです。
誰もが気づかない“正しい答え”を導き出すときには、左脳的思考(ロジカル・シンキング)を使って答えを絞り込み、次に右脳的思考(想像力)で解を決定する、と言う流れが良いのです。
具体的に問題解決の施策を考えるにあたって、「戦略的自由度」(SDF=Strategic Degrees of Freedom)という考え方が重要になってきます。
これは著書『企業参謀』(プレジデント社刊)で初めて提示した考え方で、「戦略を立案すべき方向の数のこと」です。
例えば、ある自動車メーカーで「車の安全性を向上させることが、売り上げシェアを伸ばすのに極めて重要である」ということが判明したとします。
この場合、「戦略を立案すべき方向の数」は二つあることがわかります。
すなわち、視界や表示などの人間工学にかかわることと、ブレーキや車体の剛性やエアバックなど、機械的なものです。
つまり自由度は2で、それは「人間工学的見地に立った改善」と「機械的見地に立った改善」の二つである、ということになるのです。
事例を出してみましょう。
ある家電メーカーがコーヒーメーカーを製造するに当たって「おいしいコーヒーを入れられるものに」という目標を立てたとします。
私はまず、おいしいコーヒーを入れられるという目的に影響を与える因子、すなわちコーヒーの味を左右する変数は何か? と考えました。
情報を収集して、自分なりに調査をしてみると意外なことに変数は「水」だと分かりました。
2番目の変数としては、「どのコーヒー豆を使うか」ではなく、「どのような煎り方をしたコーヒー豆を、どのような粒度(粗さ)に挽くか」ということが分かりました。
結局、おいしいコーヒーを入れるために重要なことは、水の質と豆の挽きの粒度であり、パーコレーター自体の性能とは全く関係ないということが明らかになったわけです。
「おいしいコーヒーを入れる」という目的に対しては、「水の質」と「豆の挽き方」が戦略的自由度になったということです。
前例のない問題を解決していくためにはロジカル・シンキングだけではなく、問題解決法の全プロセスを身につけなければならないのです。
事実に基づいて「それはなぜなんだ?」と質問を繰り返し、問題点を見つけ出します。
次に、左脳を使ったロジカル・シンキングを用いて、問題点を絞り込みます。
さらには「戦略的自由度」の考え方を用いて、その問題点を右脳に解放、「直感」や「想像力」を使って幅広く答え(改善の方向性)の可能性を見つけていくのです。
そしてそこから出てきたモノを、再び事実に基づいて検証・評価し、利害得失はどうなのか、実行は可能なのか、適任者はいるのか、などを検討して答えの幅を狭めてゆき、最終的に一つの案にまとめます。
このようなプロセスを経て、はじめて解決策が立案できるのです。
○ステップ3 施策の実行
ステップ2で得られた解決策に対して行動計画を立て、人員を配置し、予算を計上して実行段階に入ります。
このプロセスにおいては、ソフトなスキル、つまり人の使い方が重要になってきます。
人をどう説得し、どう動かすか。ここでまた、右脳型思考(EQ=Emotional Quotient)の出番になります。
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