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◆天下り。「渡り」のメリットは退職金税制。
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一度でも退職金をもらったことのある人は、退職金にかかる税金が少ないことには気づかないにしても、額面と手取りに大きな差がないことには気づくのではないでしょうか?
本日は、近年話題になっている公務員の天下り、「渡り」を支える税制上のカラクリをご紹介します。
退職金の税制は、
A:支給された退職金
B:退職所得控除
勤続年数によって異なりますが、
20年までは1年につき40万円。
21年目以降は1年につき70万円。
まず、A-B(=C)を計算します。
勤続2年の人は、40万円×2年=80万円と少ないですが、勤続35年の人は、
40万円×20年+70万円×15年=1,850万円です。
勤続年数の長い人は、支給された退職金からたくさんの額を差し引くことができます。
次に、C÷2=(D)を計算します。
そして、Dの額に応じた所得税率をかけて、税額を求めます。
ここからは、(イ)さんと(ロ)さんの2つの事例で考えてみましょう。
退職金の支給額は同じ額で3,000万円です。
勤続年数は、(イ)さんは35年。普通の会社のサラリーマンです。
いっぽう、(ロ)さんの勤続年数は2年。天下りの渡りです。
この2人の退職金にかかる税金(所得税)を計算してみます。
(イ)さんは、
3,000万円-(40万円×20年+70万円×15年)=1,150万円。
1,150万円÷2=575万円
575万円×20%-42.75万円=72.25万円
税額は72万円です。したがって、手取りは3,000万円-72万円=2,928万円。
(ロ)さんは、
3,000万円-(40万円×2年)=2,920万円。
2,920万円÷2=1,460万円
1,460万円×33%-153.6万円=328.2万円
税額は328万円です。したがって手取りは、3,000万円-328万円=2,672万円。
かたや35年間勤務したサラリーマンと、
2年しか働いていない天下りの退職金の額が同じということも腑に落ちませんが、
退職金の手取り額が250万円しか差がないことにも納得できません。
しかし、実際には、こうなのです。
なぜかというと・・・・。
計算式の中の「÷2」というのが利いているのです。
退職税制はとても優遇されており、税金の計算をするときに、基礎となる金額を、「勤続年数」と「÷2」で少なくすることが認められています。
基礎となる金額を低くできれば、それだけ税金が安くなり、手取りが増えるカラクリなのです。
短期間でいろんな職場を渡り歩く「渡り」の人は、「勤続年数」による効果はあまりありません。
しかし、「÷2」の効果は絶大です。
「÷2」についての社会的、政治的な論議はほとんど聞こえてきませんが、「これを見直す!」と偉い人がひとこと言っただけでも、官民そろってひと騒動巻き起こりそうです。
2009年9月8日火曜日
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