[長所]
* キートップに刻印された文字がそのまま出力されるので、初心者の導入障壁はかなり低い。
* パターンの多いローマ字入力用の変則ローマ字綴りを覚える必要がない。
* かな入力ではほとんどの場合1打鍵に対して1文字入力される。
[短所]
* 英字入力で、カナ入力の場合はアルファベットの配列を別途覚える必要がある。
* キーボードの全域にひらがなのキーがあり、手指の運動量が多くなる。そのためタッチタイプの習得が難しい。
* 文中に数字や括弧を打つ必要が生じた時は、一度英数キーを押して、英数モードに変えなければならない。
[指摘]
ローマ字に比べ使用する文字が多く、一般に普及しているJISキーボードは4段の鍵盤全体を使う配列であるためか、一般に「ローマ字入力と比べて習得には困難を伴う」と説明される。
しかし、親指シフト、JISキーボード、ローマ字入力の3つを比較した日本能率協会総合研究所の調査からはその傾向は見られず、ローマ字入力のほうが悪い結果となった。
しかし、かな入力とローマ字入力のそれぞれに特徴があるため一概に言うことは出来ない。
(2)かな入力の普及
■ローマ字入力の問題点「身体的負担からの課題」
仮名入力に比べて、圧倒的に打鍵数が多く、使用者の身体的負担に委ねられている。
打鍵数が多いことは、とくに指の負担が極端に増大し、長時間の入力では疲労度も比例して増すことになる。
NICOLA | JIS | ローマ字 | |
総打鍵数 | 3,735 | 4,110 | 6,474 |
比率(NICOAL=1) | 1.0 | 1.1 | 1.7 |
(3)NICOLA配列キーボード(親指シフト)
■特徴
1 身体的特徴を考慮したシフト操作(親指シフト)
2 かなの使用頻度に基づいた配列
3 濁点/半濁点の1打鍵による入力、および、かな入力モードでの数字入力
■NICOLAキーボードによる入力速度
1 練習時間別入力測定調査(1983年)
NICOLA配列キーボードを使った場合が最も習熟が早く、また多くの文字を入力できた。

2 標準時間法による入力方式別速度比較実験
NICOLA | 83字/分(100) |
JISかな | 72字/分(87) |
ローマ字 | 51字/分(62) |
■NICOLA配列キーボードの実績
1 ワープロコンテスト
1983年から4年続けて行われた日本オフィスオートメーション協会と日本能率協会共催によるワープロコンテストでは、4年連続で金賞を独占、また銀賞、銅賞も過半数を占めた。
このコンテストは、入力スピードと入力の正確さを競うものであった。
なお、第5回からはワープロ作品コンテストに改められ、現在に至っている。
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