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No.1「ゲーム理論の思考法」
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【本日の紹介図書】
『ゲーム理論の思考法』
川西 諭 1,470円(中経出版 2009.9.5)
http://www.amazon.co.jp/dp/4806134708/ref=nosim/?tag=johonet-22
ゲームの理論の応用範囲は広く、企業間の競争だけでなく、政治における駆け引き、上司と部下の人間関係、夫婦間のトラブル、さらには地球環境の問題にまで幅広く活用することができます。
【1】ゲームの理論でパワーアップ
問題が複雑なときには高い位置から見下ろせば全体が俯瞰できてその解決の糸口で見えてくるものです。
ゲームの理論を知っていれば、相手の行動を予測することができます。
たとえば、あなたは業務の改善を会社に要求したいと思っているとします。
もし改善要求を会社につきつけたとき、社長はそれを受け入れてくれるでしょうか。
それとも拒否するでしょうか。
あなたは、要求すべきか、それとも現状のまま我慢すべきか判断に迷います。
こういう場面で「ゲームの理論」は適用できるのです。
あなたの行動
1 待遇改善を申し入れる
2 我慢する
会社(上司)の行動
A 受け入れる
B 拒否する
ゲームの理論を適用すればベストの解が求められます。
ゲームの理論を使って推測したところどうも拒否されそうときは、まっすぐに突きつけるのではなく、上司が断りづらいように「こちらも○○を提供する」といった交換条件を出す方法も考えられます。
あなたは変更した改善要求について再度、ゲームの理論を適用して戦略を練ればよいわけです。
ゲームの理論で3つの力をつけることができます。
1 問題の全体像の把握
2 起こりうる未来の予測
3 適切な解決策の発見
【2】囚人のジレンマ
「囚人のジレンマ」は「ゲームの理論」の入門として広く知られています。
強盗した捕まった2人の囚人Aと囚人Bが別々の部屋で取り調べを受けます。
Aの部屋
刑事「あくまで黙秘する気だな。
おまえが黙秘してBが自白したら、懲役5年にしてやる。
おまえが黙秘してBも黙秘したら、どっちも1年だ。
いいか自白するんだ。
おまえが自白してBが黙秘したら、おまえは無罪だ。
おまえが自白してBも自白したら、どっちも3年だ」
Bの部屋
刑事「あくまで黙秘する気だな。
おまえが黙秘してAが自白したら、懲役5年にしてやる。
おまえが黙秘してAも黙秘したら、どっちも1年だ。
いいか自白するんだ。
おまえが自白してAが黙秘したら、おまえは無罪だ。
おまえが自白してAも自白したら、どっちも3年だ」
これを表に表すと次のようになります。
囚 人 B
┏━━━━┳━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━┓
囚 ┃区 分 ┃ 黙 秘 ┃ 自 白 ┃
┣━━━━╋━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━┫
人 ┃黙 秘 ┃A(1年),B(1年) ┃A(5年),B(無罪) ┃
┣━━━━╋━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━┫
A ┃自 白 ┃A(無罪),B(5年) ┃A(3年),B(3年) ┃
┗━━━━┻━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━┛
さて、AにとってBは共犯仲間ということになりますが、犯罪仲間の常識として信用できません。
それでも黙秘を貫くことにしたとします。
もし、Bも黙秘してくれれば懲役1年ですみます。
ところが、Bが自白したら懲役を5年もくらってしまいます。
そこで自白することを選ぶとします。
もし、Bが黙秘を貫いてくれれば自分は何と無罪になります。
ただ、Bも自白すれば懲役3年になります。
Aにとっては思案のしどころです。
そこで、次のように考えるようにしました。
Bのとる選択ごとに考えるのです。
Bが黙秘をしたとき、Aも黙秘なら懲役1年、
Aが自白なら無罪
Bが自白をしたとき、Aが黙秘なら懲役5年、
Aも自白なら懲役3年。
つまりBがどちらの選択を行ってもAが損しないのは「自白」ということになります。
これは違う部屋で取り調べを受けているBも同じことが言えます。
よって、AもBもそれぞれの部屋で自白することにしました。
その結果、両方とも自白したので懲役3年となります。
それぞれにとってはそれしか答えはないように思えるのですが、最適の答えとは言えません。
だって、それぞれが黙秘すれば懲役1年で済んだのです。
お互いが信用できないために自白を選ばざるを得ないのです。
これがゲームの理論を世に広めた「囚人のジレンマ」のお話です。
このようにお互いが相手の動きに対して最良の行動をとりあった状態を「ナッシュ均衡」といいます。
ゲームの理論でナッシュ均衡がどこにあるか考えることはとても重要です。
ゲーム理論の考え方にのっとって、あらゆる問題を「ゲーム」ととらえることができれば、今、現在起きている問題の構造を俯瞰的に見ることができるようになり、より質の高い思考を行なうことができるようになります。
そして、ゲームの構造(問題の本質)を見ることができるようになれば、「その状況の中で起こりうる未来」や「問題を根本から解決する方法」も浮かび上がってきます。
本書は、こうした「戦略的思考」を身につけることができる1冊です。
【本書の目次】
序章 ゲーム理論で「3つの力」を手に入れる
第1章 囚人のジレンマ ~ゲーム理論入門~
第2章 コーディネーションゲーム ~「習慣」をつくる方法~
第3章 3つのゲーム ~利害関係の多様性を知る~
第4章 ダイナミックゲーム ~「時間的な視野」を広げよう~
第5章 人間は「不合理」に動く ~感情+ゲーム理論~
2009年9月3日木曜日
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