2009年9月3日木曜日

民主党の勝因をランチェスターで斬る 251号

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(2)ランチェスターで斬る「民主党の勝因をランチェスターで斬る」
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弱者は一騎討ち戦で戦え
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小選挙区制度というのは、
実力以上に勝ち負けがはっきり出てしまう制度です。
例え1票差でも勝てば1議席、負ければ0議席です。

小選挙区での投票総数70,581,679に対して
民主党の得票総数33,475,334(得票率 47.4%
自民党の得票総数27,301,982 (得票率38.6%

と、その差10%未満ですが

小選挙区300議席に対して
民主党の獲得議席221議席(議席率73.7%
自民党の獲得議席64議席(議席率21.3%

と、3.5倍もの差がついてしまうのです。

それでは民意とのギャップが大きすぎるので
比例代表制で多少の調整をしているのです。


気づき1
弱者は一騎討ち戦で戦え。


かつての中選挙区制度は複数の当選者が出るので「確率戦」型。
こういう競争は物量に勝る強者に優位。


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弱者は空中戦で戦え
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選挙は空中戦と地上戦で決まる、といわれています。

空中戦とは情報戦です。
世論、「風」といわれるものです。


05
年は「小泉劇場、小泉チルドレン、刺客・くのいち選挙」
「郵政民営化賛成=改革イメージ、反対=守旧イメージ」の風でした。

今回09年は「政権交代=改革イメージ、体制維持=守旧イメージ」
「小沢ガールズ」の風でした。
民主の「小沢ガールズ」のキャッチフレーズはわかりやすく記憶に残りました。

・エリのクマ退治(久間元防衛大臣を破った福田衣里子)
YES 愛 CAN(公明党の太田代表を破った青木愛)

強敵に挑む新人女性候補は、刺客・くのいち選挙のやり方そのものですが
小沢ガールズのけなげさはマスコミの好むところでした。

民主党は鳩山、菅、岡田、長妻、蓮舫など人気者を
応援演説やテレビに投入し、空中戦を圧勝したのです。


気づき2
弱者は空中戦で戦え。


キャッチフレーズ・マーケティング
ニュース・マーケティングを展開せよ

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弱者は接近戦で戦え
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同時に徹底的な地上戦を指揮したのが小沢一郎でした。
かの田中角栄直伝の「戸別訪問三万軒、辻説法五万回」の事前の基本運動を
新人候補者に徹底させたという。

土壇場で出馬が決まった青木愛は別として
多くの候補者は一年も前から立候補が内定していました。
麻生総理が解散を先延ばしした分、基本活動が充実していたのです。

選挙選に突入すると小沢派の参院の若手議員や、秘書軍団を
選挙参謀として候補者にはりつけます。

「一日辻立ち五十回」を基本とした接近戦を繰り広げます。
街宣車で流したり、何百人の前で演説するよりも少数の人と握手するほうが効果的という考えです。

演説はみかん箱やビールケース程度の高さでよい。
車の上からでは高すぎる。

演説は短い時間でよい。決して相手の悪口をいわない。

何よりも握手が大切。
両手で相手の目をみつめて、相手よりも前に手は放さない。


不特定多数の駅前や繁華街での演説は効果が薄い。
効果があるのは農村や離島などの田舎。
ライバルが来にくく、
人と人との触れ合いを大切にする「うちもの」地域こそ
大切という考えです。

これを「川上作戦」と呼ぶそうです。
川上から川下を攻めるという攻略の優先順位と
候補者の噂や評判は川の流れのように
川上から川下へ流れてくることを示しています。


気づき3
弱者は接近戦で戦え。


うちもの地域、点の市場、死角・盲点を狙え
弱者は顧客に接近せよ。人間関係をつくれ


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勝者敗因を秘し、敗者勝因を蔵す
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東京17区で議席を守った自民の平沢勝栄さんは
「民主への『風』じゃない。自民のおごり、慢心」
と自民惨敗の敗因を語りました。


郵政選挙で勝ちすぎたことがおごりを生んだということです。
おごる平氏も久しからず。盛者必衰の理(ことわり)ということです。

とするならば、
今度は弱者となった自民党がどう逆転を図っていくのか。


「勝者敗因を秘し、敗者勝因を蔵す」と申します。
捲土重来を果たすべく、次へ向けての活動が既に始まっているのでしょう。

切磋琢磨する向上戦を望みます。


気づき4
勝ちすぎにご用心。


ランチェスター戦略では市場シェア73.9%を上限目標値としています。
これ以上はとらないほうが良い、ということです。




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